Mac便利機能へのいざない

 林檎教会へようこそ。迷える窓の子たちを導くのがこの記事の役目です。私と一緒に「Think Different」の境地へと達しましょう。

文字入力

 文字入力に際して便利な機能を挙げていきます。Macの主なアプリケーション(Cocoaアプリケーション)では以下のEmacs風ショートカットを利用することができます。文字入力においてとても便利なので、覚えて損はないでしょう。

control + A 行頭にカーソルを移動
control + E 行末にカーソルを移動
control + D カーソルの右側の1文字を削除
control + H カーソルの左側の1文字を削除
control + K カーソルから行末までを削除
control + Y control + K で削除した文字列を貼り付ける(Yank)
control + P
control + B カーソル移動 control + F
control + N

QuickLook

 ファイルの中身についてパッと見たいことってありますよね。そんなとき、ファイルを選択してSpaceを押してください。ファイルの概要がプレビューされるはずです。テキストファイルやソースコードから、ムービーファイル、MS Officeのファイルまでプレビューすることができます。また、一部の3DCGファイルにも対応していたりします。ファイルを開くのはめんどくさいな〜って感じの時は是非使って楽をしましょう。

ファイル形式

 Macでよく扱うファイル形式を説明します。

  • .app
    • Macのアプリケーション形式です。実体はフォルダであり実行ファイルやResourceが入っていますが、アプリケーションとして実行することが出来ます。
  • .dmg
    • ディスクイメージファイルです。アプリケーションをダウンロードしたときによく目にすると思います。実行することでイメージをマウントします。多くの場合は、その中に入っている.appファイルをApplicationsフォルダにコピーするように指示されていると思います。Applicationフォルダにコピーした後は、マウントしたイメージをゴミ箱にドラッグアンドドロップして取り出しましょう。また、.dmgファイルも削除して構いません。
  • .pkg
    • Macの「インストーラ」で展開される、インストール形式です。実行するとウィザードに従ってアプリケーション等をインストールすることができます。

マウスの設定

 1ボタンマウスというのは確かにシンプルですが、正直言って苦痛です。システム環境設定の「マウス」で割り当てができるので、右クリックや中クリックを有効化しておきましょう。

Expose&Spaces

 「Expose」はごちゃごちゃしがちなウィンドウに素早くアクセスする機能です。ウインドウの管理に関して、MacWindows等で言う最大化は無く最適化という考え方なので、混乱する人も多いと思います。なのでMacBookなどの画面解像度が低い環境では「Expose」を利用することを強くお勧めします。
 狭いデスクトップを補うための機能である「Spaces」があります。これは仮想的なデスクトップを作るもので、作業内容に応じてデスクトップを分けるなどの使い方によって効率のよい画面アクセスを提供しています。

Spotlight

 Emacsでの操作中に「control + Space」を入力して画面右上に謎の入力フォームが出現し、イラッ☆としたことはありませんか?Emacsに限らず「control + space」は頻繁に使用されるショートカットなので、まずはショートカットを変更してあげましょう。

 「システム環境設定」の「Spotlight」を選択します。「Spotlightメニューのキーボードショートカット」のショートカットが「^スペース」に割り当てられているかと思います。「^」は「control」の意味です。「^スペース」をダブルクリックして、ショートカットを変更してください。「control + ;」や「option + space」がオススメだと思います。併せて「Spotlightウインドウのキーボードショートカット」も変更しておきましょう。

 さて、設定したショートカットでSpotlightを表示してみましょう。青色の入力欄が現れるはずです。Spotlightは主に以下のような用途に使うことが出来ます。

  • アプリケーションランチャ
    • アプリケーション名を入力すると、そのアプリケーションが検索結果に出ます。そのままEnterすれば起動します。例えば「GoogleChrome」の場合、「chr」などと入力した時点で第一候補に挙がるでしょう。
  • 計算機
    • 数式を入力すれば、計算結果が表示されます。「1+2」などの簡単な四則演算*1、「cos(pi)」といった三角関数や「sqrt(144)」なども扱うことができます。
  • 辞書
    • Macにデフォルトで入っている「辞書.app」から検索します。Spotlightからは、国語辞典、英和/和英辞典から引くことが出来るようです。
  • ファイル検索
    • ファイル名検索はもちろん、テキストファイル等の中身も高速に検索してくれます。Windowsの検索犬より遙かに便利でしょう。

 その他検索できる物は「システム環境設定」の「Spotlight」に設定があるので、そこを参照してください。また「Spotlightメニュー」ではなく「Spotlightウインドウ」の場合、かなり細かい条件指定で検索することができます。例えばイメージに関する条件の場合、「画像解像度」や「F値」、「緯度経度」などがあります。動画ファイルの「コーデックの種類」やMIDIファイルの「拍子」等、たくさん条件があるので是非調べてみてください。

IME

 Macには標準IME*2として、「ことえり」が付属しています。「ことえり」ちゃんはアホの子なので煙たがられる悲しい存在ですが、これは便利だなあという機能はいくつかあります。例えば、うっかりかなモードで英単語を入力してしまって「いんくばとr」こうなった時、悲しいですよね。ことえりはそんな時、「英字」キーをダブルタップすると「incubator」となります。便利ですよね。でもまあことえりの良いところってこれくらいです。辞書も微妙です。ちなみに、ことえりの辞書強化は「山葵辞書*3」が定番のようです。
 「ことえり」みたいなアホの子は好みじゃないって人は「Google日本語入力」なり「Mozc」なりを入れましょう。「Google日本語入力」はすぐに導入できます。「Mozc」は「Google日本語入力」のオープンソース版で、可愛いです。

 次に、「ことえり」や「Mozc」でも大抵のIMEで入力できる記号のショートカットを紹介します。入力方法としては、以下に挙げる2つを使います。

  • 「option + 何か」
  • 「option + shift + 何か」

 挙げるとキリがないのでいくつかの例に留めますが、「option + ;」で「…」、「option + shift + K」でAppleのマークが入力できます。適当に打ち込んで試してください。

プレビュー

 Macには「プレビュー.app」というものが標準付属しています。画像ファイルなりPDFなりを開けば立ち上がるので、見たことのない人は居ないでしょう。何より、PDFのレンダリングはとても速いです。そんなプレビューはとても万能です。
 PDFの操作に関して言えば、以下のようなことが出来ます。

  • ページへの文字・図形による注釈の挿入
  • ページの回転
  • ページの並び替え

 この中で言えば特に、注釈の挿入は便利です。手書きノートを取るまでもない講義において、この機能をつかって素早く講義資料に書き込むことが出来ます。

 次に、画像の操作についていくつか挙げます。

  • 色の調整
  • サイズ調整
  • 多機能な選択ツール

 色の調整は、露出、コントラスト、彩度、色温度、色合い、セピア度、シャープネスの調整が出来ます。十分な加工ができるでしょう。また、選択ツールも万能です。単純な矩形選択から、Adobe Photoshopで言う「自動選択ツール」のような「インスタントアルファ」というものまであります。これが使えるレベルの精度なので、画像の切り抜きについてもうまく切り抜くことができます。

optionキー

 MacはとてもUIが整理されています。しかし、それ故にアクセスしづらくなっている機能というものがあり、「ここからあれに飛べたらな〜」ということが結構あります。そこでぜひoptionキーを試してみましょう。
 たとえば画面上部のメニューバーにおいて、音量調節アイコンがあると思います。普通にクリックすると、単なる音量調節バーしか出現しません。Windows的な感覚で言えば、ここからサウンドの環境設定に飛びたいところですね。はい、optionキーです。optionキーを押しながら音量調節アイコンをクリックしましょう。出力装置・入力装置を選択できるメニューが出てくるではありませんか。また、サウンドの環境設定へのリンクもあります。これと同じく、F10~F12にあたるキーはデフォルトで音量調節に割り当てられていると思います。これもまたoptionキーと一緒に押すと、サウンドの環境設定が開きます。他のファンクションキーも同等です。
 こういった「隠れメニュー」が、Macの標準メニューには大量に存在しています。リストアップするにもキリがありませんが、総じてどれほどあるのか私にも分かりません。メニューバーで言えばWiFiBluetooth等のアイコンにももちろんありますし、アップルマークのマークにある「このMacについて」はoptionキーを押すことによって「システムプロファイラ」への直接リンクになります。Finderに限らず、色々なアプリケーションで色々なメニューを開きながらoptionキーをおすと、多種多様な項目が変わるはずです。
 何か一つ物足りない時、optionキーを押してください。AppleおよびMacOSXに忠実なサードパーティは、あなたの望む機能をそこにおそらく実装しているはずです。

その他

 「Grapher.app」というグラフ表示ソフトがあります。方程式を入力すれば2次元・3次元グラフを描いてくれるので、数学の課題や幾何学的理解に役立つかもしれません。一つ欠点を挙げるとすれば、このソフトは結構重いです。
 「Expose」のアニメーションや最小化時のアニメーションは、shiftを押しながら行うことでスローモーションで再生することが出来ます。何の意味があるのかは僕にも分かりません。「Think Different」なのです。

終わりに

 今回の記事は、MacGUI環境に絞った便利機能を紹介しました。次回の記事ではCUI環境での便利機能を中心に紹介していきたいと思います。
 May the Apple be with you.

*1:近頃話題の「6/2(1+2)」を入力したら、1になりましたが。

*2:Input Method Editor

*3:http://ho-ko.jp/haeng_jun/kotoeri_lover.html